物質の基本的性質である物性を研究する自然科学の分野が物理学と化学である。ドルトンの原子説およびアボガドロの分子説の提唱以来、物質は分子や原子が集まって構成されていることがわかってきた。さらに原子は電子、陽子、中性子という亜原子粒子から構成されることがわかり、中間子やニュートリノなど日常手に触れられないような亜原子粒子も物質とされるようになった。還元論的に物質の構成要素を分解していくとき、素粒子はそれ以上分割できない粒子であり物質を構成する最小の要素である。現在の物理学では、標準模型という素粒子モデルが多くの自然現象を説明することに成功している。 物質は質量と体積により人に認識されて来たが、ラボアジェによる質量保存則の確立以来、質量が物質を特徴づける本質的な量と考えられるようになった。素粒子も質量をもつゆえに物質と考えられることになる。光や熱などのエネルギーは質量を持たず、物質とは別のものと考えられていたが、アインシュタインの相対性理論により質量とエネルギーは等価であることがわかり、光子も物質と考え得るようになった。現在では質量保存則は質量エネルギーも含めたエネルギー保存則に統一されている。 物質は置かれた条件により種々の相転移を起こす。特に分子や原子が集まって構成された通常の物質は物質の三態(固体・液体・気体)と呼ばれる3つの状態をとる。次にこれらの状態変化を挙げる。 |